アイドルソング万歳

 古今東西を問わず、アイドルソングにはしばしばその制作や演奏に凄腕が絡んでいることがある。一聴してにやりと思わせるような仕掛けから、知る人ぞ知る小道具まで多彩。その妙をどれだけ知っているのかわからない歌い手・演じ手がまっすぐに表現をする。もちろんこれは皮肉ではない。時に屈折、時にベストマッチと具体的な現象を変えながら、いずれにせよ面白いものを生み出している。それがなんとも楽しい。そういうことである。

 

 今回は乏しい知識と経験の中から、抜群に楽しいアイドルソングを4つ。

 


Negicco「光のシュプール」MV - YouTube

 

 Negicco。どうしても目に名前が飛び込んできた時に、「ねじっこ」と読んでしまう。零細のねじ工場出身のアイドルか。

 作詞作曲は彼女らのこれまでの曲で馴染みのconnieさんという方がなすっているらしい。編曲が田島貴男。もともとの詞曲の出来栄えもあろうが、アレンジが素敵。

 

 


「TENSHI TO AKUMA」(Angel and Demon) - YouTube

 

 Twinklestars?というユニット。さくら学院というグループの派生らしい。さくら学院といえばすっかり話題のBabymetalもここからなんだそうな。そしてwikipediaで確認したところ、Babymetalのメンバーのうち2名がTwinlestarsと重複している?顔と名前が一致しないし、そのへんはどうでもいいや。

 この曲は一聴してわかるように、the Whoの"My Generation"を下敷きにしている。プロデュースしたのは沖井礼二。元シンバルズ。ピート・タウンゼントリッケンバッカーのベースギターを愛するとのこと。言われてみればシンバルズのサウンドにも通じるような。原曲に忠実というよりは、たとえば後年Oasisがカバーしたような感じに近い。

 

 


東京女子流 / ヒマワリと星屑 - YouTube

 

 については語るべき情報をあまり持たない。ある面最後に採りあげる一曲と同じく、自分が物心ついた頃にまだ残滓があったような、上の世代を夢中にさせたダンスミュージックを想起させる感じがいい。インスト音源ほしいもの。

 アレンジは松井寛。同じベクトルではMisiaの初期代表曲のプロデュースで有名。あとはアイドル、声優と手広く扱っているらしい。いつぞやラジオ番組にゲストで登場した時は、ダンスミュージックへの造詣の深さが窺えた。

 

 


Tomato n' Pine ワナダンス! (ラジオ音源) - YouTube

 

 最後の曲は、残念ながら解散してしまったトマパイ。agehaspringsがバックアップした彼女たちの曲は、曲のコンセプトごとに当該ジャンルの往年のファンがにやりとするようなネタが鏤められているとか。この曲については下記を参照。

1stアルバム・リリース記念 トマパイ5週連続企画第5弾 agehasprings玉井健二が語る、トマパイの作り方 - CDJournal.com CDJ PUSH

 

 冒頭のNegicco以外はいずれも3~4年くらい前のものばかりではあるが、以上が今回採りあげる4曲である。